ツーリング工房 ゴッペマスター

山奥のログハウスで「夫婦でセミリタイア生活」していく、40代バイク乗りのブログ

レンジャー教育でも実施する、熱中症予防「WBGT指数」の活用と注意点!

こんにちは、ゴッペです。

 

連日の40℃近い猛暑は異常ですね。

「熱中症」で亡くなられたり搬送されるニュースが多いですが、

体調を崩さない様に十分注意してください。

 

熱中症で亡くなられたニュースを聞いていると、防げたであろうケースが多いと思いますね。

 

今回は熱中症死亡事故を防ぐために、陸上自衛隊で最も厳しく最も過酷な訓練と言われる「レンジャー教育」で培ってきた経験を踏まえて

「WBGT指数」「活用時の注意点」を説明します。

 

 

WBGT指数って何?

 

「WBGT指数(暑さ指数)」というのをご存知でしょうか?

WBGTWet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)

 

熱中症を予防することを目的とした指標

・①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取入れた指標

 

 暑さ指数(WBGT)は労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されています。 

 

厚生労働省や環境省でも推進しているので、職場や学校等でも取り入れている所も多いと思います。

 

表で見た方がわかりやすいです。

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日本生気象学会と日本体育協会がそれぞれガイドブックを出しています。

 

危険度を段階区分し、分かりやすくどの様な行動をとるべきか注意事項が記載されています。

 

 職場や学校・部活動などでの、熱中症死亡事故はこれを正しく理解し厳守していれば防げたものが多いと思います。

 

 

「WBGT指数」活用時の注意点!!

このWBGT指数は自衛隊でも昔から活用しています。

WBGT指数が高めになると駐屯地放送が流れ、厳重警戒を意味する「赤旗」が掲揚されます。これにより各部隊指揮官は訓練強度を下げます。

 

しかし、残念ながら自衛隊でも正しく活用されていないのが現状です。

 

・WBGT指数を知らない隊員がほとんど

・放送が流れても特に無関心(多分、若い隊員は赤旗の意味すら知らない)

 

理由の一つに「どんなに暑くても寒くても訓練はするのだから」という諦め?

 

でも、指揮官や現場の責任者はこの感覚でいると死亡事故を起こします。

これは、職場や学校・部活動でも同じです!

 

注意して欲しいのは、
気温35℃以上、WBGT指数31℃以上「運動は原則中止」「危険」の解釈!


「危ないぞ!注意しろよ!」ではなく
生命の危険があるぞ!!と解釈して下さい。

 

 

そして一番言いたい事は活用の仕方、目的を履き違えるな!という事です。

死亡事故を起こした職場や学校等の事故の詳細は分からないので、一概には言えませんが、部隊を一例として伝えます。

 

例)

放送「各部隊へ連絡する。本日のWBGT指数30、厳重警戒、繰返す…」

バカ上司「放送聞いたか~?熱中症に気を付けれよ~」

隊員「りょ~か~い!」

…以上

何をどの様に気を付けるのか?注意喚起にすらなっていない。



陸上自衛隊で最も厳しく最も過酷な訓練と言われてる「レンジャー教育」

かなりの訓練強度があり過去に死亡事案が何件もあります。

その為、この教育をする我々は、通常の部隊訓練よりも、厳重な安全管理体制をとって教育を実施します。

 

例えば、今日の訓練が「10マイル走」と言われる武装走訓練だとしたら。

 

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レンジャー教育隊なら朝のミーティングで

レンジャー学生の健康状態、疲労度、回復度、睡眠時間、食事の状況、精神状態、衣類や靴の整備が出来ているかどうか、教官助教から見ていて気になる学生はいるか?等の、細部の最新の状態を指導部全員で認識の共有を図ります。

問題がある学生がいる場合には、専属で付く教官助教を決めます。

誰が指導する立場で、誰が安全に徹する立場かも決めています。

 

その日の予想気温、湿度からWBGT指数を予測し、高くなる事が予想される場合は計測する間隔を調整します(1時間/1回⇒30分/1回)

 

熱中症の兆候・症状を指導部に再教育し認識させます。

 

訓練中に患者が発生した場合の対処要領、救急処置・応急処置、通報要領、搬送手段、患者以外の学生の対応等、具体的な処置対策を徹底します。

 

徹底するのです。

徹底とは100人いたら100人全員が同じ認識を持ち、同じ行動が出来る状態にする事です。99人が完璧に出来ても1人が出来なければ徹底した内には入りません。

 

シュミレーション(指導・予行)をします。

ここまでが朝のミーティングで行う内容です。(当然前日にも煮詰めています)

 

訓練開始前には、レンジャー学生の健康状態、顔色(眼光までチェック)、装具の状況、靴紐の結び一つまで徹底的に指導部がチェックして訓練開始となります。

(※訓練中はもちろん、訓練終了時にも異常の有無を点検します)

 

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WBGT指数が「安全」の段階でも必ず実施しています。

 

なぜなら「人が死ぬから」です。

ここまでやっていても死亡事故は起きてしまう事があります。

 

でも確率は大幅に下げる事が可能です。

 

もちろん、レンジャー以外の部隊訓練であっても、しっかりと実践している部隊も多数あります。

 

職場や学校でも「熱中症予防対処マニュアル」を作っている所もあるかと思います。

ただ、いざという時にマニュアルを見ないと行動出来ないのでは全く意味がありません。

マニュアルを作って掲示する。

マニュアルを各人に配布する。

 

これで満足し、出来るつもりになっている事が大問題であり事故の一番の原因

 

行動出来る様になるまで、すり込まなければマニュアルなど意味がないのです。

 

 

まとめ

WBGT指数は、熱中症を予防することを目的とした指標です。

WBGT指数「危険」=「死」

WBGT指数を把握し、どの様な処置対策をとるか徹底する事

 

マニュアルを作る事が重要なのではない。徹底し行動できる状態にする事が重要!!

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